呼吸、整えてますか?
— 痛み・姿勢・メンタルを変える最強の習慣 —
「最近、肩に力が入って抜けない」
「寝ても疲れが取れない」
「下腹だけがへこまない」
——そんなお悩みを抱える方に、まずお伝えしたいのが呼吸です。
呼吸は1日に約2万回くり返される“最大の生活習慣”。
これが崩れると、痛み・姿勢・自律神経・睡眠・運動パフォーマンスにまで連鎖します。
逆に言えば、呼吸が整えば全てが底上げされます。
“If breathing is not normalized, no other movement pattern can be”
“呼吸が正常でない限り、他のどんな動きも正常にはならない。”
Dr. Karl Lewit
目次
呼吸が崩れると何が起こる?
- 腰痛・肩こり:本来“コア”を担う横隔膜が働かず、首・背中の呼吸筋が代役に。常に緊張してコリやすく。
- 下腹ぽっこり:腹圧(お腹まわりを360°で支える力)が入らず、骨盤が前傾・肋骨が開き、内臓が前に落ちやすい。
- 疲れ・集中力低下:浅く速い胸式呼吸が続くと、交感神経優位→心拍・血圧・ストレスが上がり、回復が追いつかない。
- 睡眠の質低下:口呼吸・いびきは血中酸素や喉の炎症に影響し、夜間の回復力を下げる。
仕組みを超シンプルに
呼吸は横隔膜・肋骨(胸郭)・骨盤底筋・腹横筋のチームプレーで成り立っています。
- 吐く時に肋骨は“すぼみ”、横隔膜は上がり、腹圧が自然に高まる。
- 吸う時に肋骨は“ひらき”、横隔膜は下がり、肺が満たされる。
この“ひらく↔すぼむ”の可動が小さくなると、首や腰が代償して痛みや姿勢の崩れに繋がります。 また鼻呼吸は、空気を温め・湿らせ・フィルターし、鼻腔で産生される一酸化窒素(NO)が気道と血流に好影響。まず“口を閉じて鼻で呼吸”が大前提です。
まずはセルフチェック(1分)
- 鏡チェック:吸うたびに肩がすくむ?鎖骨ばかり動くなら胸式優位。
- 息止めテスト(安全に):ふつうに吐ききって“楽な範囲で”息を止め、最初の軽い息苦しさまで何秒かかるか。20秒未満なら、呼吸の改善余地あり。
- 鼻・口:日中の口の渇き/就寝時の口開き/いびきの自覚がある → 鼻呼吸の再学習を。
※めまい・胸の不快感が出たら即中止し、無理はしないでください。持病のある方は医療者に相談しましょう。
今日から始める「呼吸リセット」ルーティン(合計7〜10分)
① クロコダイル呼吸(うつぶせ2分)
うつ伏せで額の下に手。鼻から静かに吸い、背中側がふくらむのを感じながら、口を軽くすぼめて長く吐く(6〜8秒)。首肩に力が入らないように。
② 90°-90°ヒップリフト+ロングエクスハイル(5呼吸)
仰向け・膝90°、かかとを壁。軽く骨盤を後傾(腰を床に押し付ける)。
口をすぼめて10秒吐き切る→3秒止め→鼻で3秒吸う。肋骨が“すぼむ”感覚を学び直します。
③ 4-6カデンス呼吸(5分・就寝前)
鼻で4秒吸って、鼻or口で6秒吐く。
スマホを閉じ、暗い部屋で行うと、心拍と自律神経が整い、入眠がスムーズになります。
④ 鼻呼吸ウォーキング(10〜15分)
日中の歩行は鼻だけで。苦しければペースダウン。
数日で驚くほど慣れます(CO₂耐性のトレーニング)。
+オプション:ハミング呼気×10回
「ン〜」と鼻で響かせながら吐く。鼻腔が通りやすくなり、リラックスも促されます。
トレーニング中の“呼吸×腹圧”の使い方
- 準備で吸う → 動作で吐く(例:スクワットでしゃがみ始めに軽く吸い、立ち上がりで長く吐く)。
- お腹を“前だけ”で固めず、360°(前・横・背中)に空気を入れて缶のように。これが体幹安定=腰の保護になります。
- 重量が上がるほど、吐く時間を長く(5〜8秒)して動作をコントロール。
よくある質問
- 有酸素で鼻呼吸が苦しい
→ いったんペースを落として“鼻だけ”に。1〜2週で適応します。 - 息をたくさん吸うほど良い?
→ ポイントは“吐き切ること”。吐ければ自然に深く吸えます。 - マウスピーステープは?
→ 安全に配慮しつつ就寝時の鼻呼吸練習に有効な場合も。いびき・無呼吸の疑いがある方は医療機関へ。
DROITの呼吸アプローチ
当店では、
- 運動療法・パーソナルストレッチで肋骨・胸椎・骨盤の可動性を回復
- ピラティスマシンで「呼吸×姿勢×体幹」の再学習
- ウェイトトレーニングで“使える腹圧”に転写 という順番で、痛みを減らし、姿勢を整え、動ける体へ導きます。呼吸はすべての土台。ここが整うと、コアの安定・可動域・パフォーマンス・睡眠の質まで一気に変わります。
呼吸は“最小の努力で最大の効果”
特別な器具も時間も要りません。鼻で吸い、長く吐く。肋骨をすぼめ、360°に空気を広げる。
この小さな習慣が、痛み・姿勢・メンタル・睡眠・運動の“ハブ”になります。まずは今、3呼吸だけでも。体はすぐに応えてくれます。
痛みや呼吸のクセは人それぞれです。あなたの体に合う呼吸法と運動を一緒にデザインします。
気になる方は是非体験にお越しくださいませ。