姿勢でぽっこりお腹が変わる?

姿勢でぽっこりお腹が変わる?
「最近お腹だけぽっこり出てきた気がする」
「食べすぎてないのに、下腹が気になる」
「筋トレやダイエットをしてもお腹が凹まない」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、その原因は単純に脂肪だけではありません。
大きな要因のひとつが “姿勢” なのです。
目次
姿勢がぽっこりお腹を作る理由
私たちの身体は、骨格と筋肉のバランスで支えられています。
ところが、デスクワークやスマホ操作などで背中が丸まり、骨盤が前に倒れたり後ろに倒れたりすると、内臓の位置がずれてしまいます。
その結果、
- お腹のインナーマッスル(特に腹横筋)が働かなくなる
- 横隔膜や呼吸筋が機能しづらくなる
- 骨盤底筋群が緩みやすくなる
といった変化が起こり、自然と下腹が前に押し出されるようになるのです。
つまり、脂肪が増えていなくても姿勢の崩れだけでお腹はぽっこり見える ということです。
姿勢を整えるとこんな変化が起こる
姿勢を改善すると、見た目だけでなく体の機能まで変わります。
- 骨盤が正しい位置に戻り、お腹が自然に引き締まる
- 内臓が本来の位置に収まり、消化や便通がスムーズになる
- 呼吸が深くなり、代謝が上がりやすくなる
- 腰や肩の負担も減り、動きやすい体になる
つまり、姿勢改善は見た目と健康を同時に整える方法 と言えるのです。
40代女性のセッション例
先日、40代の女性が体験にご来店されました。(ご本人の許可を得て掲載しております)
「運動をしても下腹だけが気になる」そのこと。いくつかテストを行い、呼吸法と骨盤の位置を整える簡単なエクササイズを行っていただいたところ、たった10分後には立ち姿がスッと伸び、お腹周りがすっきりと見えるように。
鏡を見たご本人も「え、まだ運動していないのにお腹がへこんで見える!」と驚かれていました。
このように、ぽっこりお腹は“脂肪”ではなく“姿勢”が原因というケースも非常に多いのです。
その後ご入会なさいまして現在8週間が経過。その方のお身体で起こっていたことを簡単に解説いたします。
- 出産歴:あり(お子さま2人)
- 主訴:体重は重くないのに下腹だけ前に出る。写真・姿勢で目立つ。
- 付随症状:夕方の腰の張り、便秘気味、くしゃみ時の軽い尿もれ。
- 食事傾向:糖質控えめ+脂質やや多め。たんぱく質は少なめ(朝はコーヒーとヨーグルトのみ)。
- 睡眠/ストレス:睡眠6時間弱。仕事の締切前は呼吸が浅くなる自覚。
- 目的:
- 下腹のシルエット改善(ワンピースを着た時に下腹が目立つのを解消)
- 腰の張り・夕方のだるさ軽減
- 運動や食事を頑張りすぎず続けられる方法を知りたい
体重ではなく「見た目」と「楽さ」を変えたい、がキーワードでした。
初回アセスメント(何が起きていたか)
姿勢・動作
- 反り腰(骨盤前傾):骨盤が前に倒れ、腰椎が過伸展。
- 肋骨の開き(リブフレア):立位で下位肋骨が前上方に開き、お腹の壁が緩む。
- 股関節の前側の張り:腸腰筋・大腿直筋の過緊張。
- 殿筋の働き低下:ヒップヒンジ(お尻を引く動作)で腰が反り代償。
- 呼吸パターン:胸式優位で吸う時に肩がすくむ。吐くときに腹圧が乗らない。
- 腹壁/骨盤底:腹横筋のタイミング遅れ、骨盤底筋の同調弱め。
- 実施テスト例:
- オーバーヘッドスクワット→腰過伸展・肋骨前突
- ASLR→骨盤が前に逃げやすい
- トーマステスト→大腿直筋/腸腰筋の短縮傾向
仮説(ぽっこりの正体)
- 脂肪量だけでなく、「骨盤前傾+肋骨の前突+腹圧の抜け」で内臓が前方へ押し出され“見かけのぽっこり”が強調されている。
- 殿筋が働かず、股関節伸展を腰で代償→夕方の腰張り。
- 出産歴・座位時間の長さ・胸式呼吸の癖が、骨盤底と腹横筋の同調を弱め、下腹の支えが利きにくい。
介入内容(約8週間)
フェーズ1:整える(可動性/呼吸/腹圧)【1–2週】
- 骨盤・筋膜調整
- 最初に腸骨の傾きを左右で調整し、恥骨を下げ、骨盤を締める作業を行いました
- 腸腰筋・大腿直筋・TFL(大腿筋膜張筋)・脊柱起立筋・広背筋
- 目的:骨盤前傾/肋骨前突の“引っ張り”を緩める
- 呼吸再教育
- 90/90ヒップリフト(壁押し)で骨盤後傾+吐くを学習
- クロコダイルブリージング(腹背面に360°呼吸)
- 「吐いて肋骨を下げ、骨盤の上に肋骨を重ねる」=スタッキング
- 腹圧の土台づくり
- ヒールスライド、デッドバグ(小さな可動域で腹圧保持)
- 骨盤底筋は息を吐く終盤で軽くすくい上げるイメージで同調
フェーズ2:安定させる(抗伸展/殿筋活性)【3–5週】
- グルート活性×ヒンジパターン
- ポスターリオールティルト(骨盤後傾)を保ったグルートブリッジ
- 壁スクワット(肋骨下制)→ヒップヒンジ導入
- 抗伸展/抗回旋
- パロフプレス、ハーフニーリング・ケーブルプレス
- ローイング(肋骨を開かず肩甲帯を安定)
- 胸椎モビリティ
- オープンブック、四つ這いリーチスルーで肋骨の過前突を抑える土台を作る
フェーズ3:日常へ(立位統合/歩行/生活)【6–8週】
- ファーマーズキャリー(軽負荷)
- 立位で腹圧を保ち肋骨と骨盤の重ねを維持したまま歩く
- ヒップヒンジからの軽いデッドリフト(フォーム重視)
- 日常コーチング
- デスクでの座位セットアップ(坐骨に乗る・肋骨を下す)
- 歩行は“踵→母指球”でお尻で進む意識
- 朝にたんぱく質20g追加(腹圧・むくみ・便通サポート)
- 水分/食物繊維アップで腹部膨満の見かけ悪化を回避
介入後の変化(8週のアウトカム)
- 見た目:側面写真で下腹の前突が明確に減少。ウエストラインがフラットに。恥骨の出っ張りも解消。
- 採寸:ウエスト −2.8cm(体重変化 −0.4kg)
- 痛み/だるさ:腰の張り NRS 4→1、夕方の重さがほぼ消失
- 機能:ヒップヒンジで腰の代償が減り、殿筋の張りを自覚
- 感覚(ご本人):「お腹を“引っ込める”努力じゃなく、勝手に収まる感覚」「パンツの前だけ張るのがなくなった」
ポイントは体重を落としていないのに、形と楽さが変わったこと。「ぽっこり=脂肪」だけではない好例です。
- 下腹ぽっこりは、姿勢(骨盤前傾・肋骨前突)と呼吸/腹圧の失調で“見かけ”が悪化することが多い。
- 吐く→肋骨を下げる→骨盤の上に重ねる(スタッキング)が土台。
- 殿筋を使えるヒンジと、抗伸展の体幹が“戻りにくい”体をつくる。
- 食事は朝のたんぱく質とむくみ/便通ケアがシルエット改善を後押し。
「がむしゃら腹筋」や「食事を削る」前に、姿勢と呼吸から。
それが、頑張りすぎずに続くいちばんの近道でした。
DROITが大切にしている姿勢改善
DROITでは、単なる筋トレやダイエット指導ではなく、
- 医師による健康チェック
- 管理栄養士による食事サポート
- 専門トレーナーによる姿勢・動作改善
- 必要に応じてメンタルコーチング
といった多角的なアプローチで、体を内側から整えるサポートを行っています。
だからこそ、体重を落とす以上に「立ち姿が美しい」「健康的に見える」変化を実感いただける方が多いのです。
まとめ
ぽっこりお腹の原因は「脂肪」だけではありません。
実は 姿勢の崩れ が隠れた要因になっていることも多いのです。
◯ 姿勢を整えるだけで下腹がスッキリ見える
◯吸や消化機能も改善して健康にもプラス
◯ 見た目と機能の両方が同時に整う
ダイエットを頑張っても成果が出ない方、まずは自分の姿勢をチェックしてみてください。
そして「自分ではどう直せばいいのかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
DROITでは、体験で「姿勢チェック+改善アドバイス」を行っています。
ぽっこりお腹が気になる方、まずは一緒に原因を探してみませんか?