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肝臓を「20代の機能」に巻き戻すためにやりたいこと

群馬県前橋市でパーソナルトレーニングジムならDROIT

先日当パーソナルジムに体験でお越しになったお客様が、
「脂肪肝でこのままだと取り返しのつかないことになるから、運動しろと医者に言われて来た」
という理由でご来店。

当店がただのパーソナルトレーニングジムではなく、医師と管理栄養士がいるメディカルパーソナルジムであるということをしっかり理解いただいてお声がけくださったことに、とても喜びを感じたので、そこで行った「脂肪肝を改善・予防するための行動習慣アドバイス」をシェアさせていただきます。


そもそも肝臓ってどんな臓器?

肝臓は代謝・解毒・免疫を担う要の人体最大の内臓器です。
摂った栄養を使える形に組み替え、アルコールや薬を代謝し、侵入してきた異物と最前線で戦います。
脂肪肝は、肝細胞の中に脂肪のしずく(脂肪滴)が溜まるところから始まり、炎症 → 線維化(硬くなる)と進むと、肝硬変・肝がんのリスクが跳ね上がります。

厄介なのは、自覚症状がほぼ出ない こと。
だからこそ「見える化」と「先手の対策」が肝です。
日本語でも「肝心」ということばがある通り、内臓においては肝臓と心臓が「肝心」なのです。

健診で「ALTが高め」「脂肪肝の疑い」と言われたけれど、痛くないし放置している。
そんな静かな不調が、いま世界規模で問題になっています。
脂肪肝(MASLD:代謝異常関連脂肪性肝疾患 )は、糖尿病や動脈硬化、脳心血管病、さらには肝硬変・肝がんの土台になり得ます。
そして脂肪肝はあらゆる生活習慣病のなかで最も早く起こる初期異常とされることが多いので、この段階で対処することが極めて重要です。
あまり知られていませんが、実は肝臓の回復力は凄まじく、体重・食事・運動・睡眠を整えるだけで、肝臓は驚くほど回復することが、近年の研究と臨床の現場で明らかになっています。

それでは、肝臓を“20代の状態”に近づけるための実践法を、順序立ててまとめます。


まずは現状を確認しましょう

直近1-2ヶ月でこのような症状を感じている方は、肝機能が低下している可能性があります。

  • いつもだるい・疲れが抜けない
  • 右わき腹(肋骨の下)の重さ・張りを感じる
  • 皮膚のかゆみが続く/夜に強い
  • 尿が濃い茶色、便が灰白色っぽい
  • あざが出来やすい・鼻血/歯ぐきから出血しやすい
  • 足のむくみ、腹部の張りが増えた
  • 食欲不振・吐き気・はっきりした理由のない体重減少
  • 物忘れ・ぼんやり感が増えた

2項目以上が同時にある → 受診推奨です(消化器内科/内科で相談)。
1項目だけでも、2週間以上つづく/繰り返す → 受診を検討しましょう。

以下は1つでも出たら要注意(早めに受診)

・濃い茶色の尿+灰白色の便(胆汁うっ滞のサイン)
・あざが増える・鼻血/歯ぐき出血(凝固異常のサイン)
・足のむくみ・お腹の張りが増える(低アルブミンや門脈圧亢進の可能性)
・物忘れ・ぼんやりが急に増える(肝性脳症の可能性)

※毎日飲酒、メタボ・糖尿病、B/C型肝炎リスクがある方は閾値を1段低く見て、1項目でも続けばチェックしておくと安心です。


ポイントは体重を“緩やかに”7〜10%落とすこと

肝内脂肪は体重を3〜5%減らすと減り始め、7〜10%減で炎症が鎮まり、10%以上の減量で
肝臓の線維化の改善も期待できます。
リバウンドを防ぐためには週あたり体重の0.5〜1%を目安に減量を進めていくと良しとされています。
体重が70kgなら週0.35〜0.7kgのペースです。

ちなみに、見た目が痩せている「痩せ型脂肪肝」もあります。
そういう方は筋肉量の増大が鍵です。
後述の筋トレとタンパク質分配が重要になります。


食事:肝臓を若返らせる“飲み方・食べ方”

1) 「液体の糖」をゼロにする

最優先はとにかくここです!
砂糖入り飲料/100%ジュース/エナジー飲料/甘いカフェドリンクは、吸収速度が速く肝臓に直撃します。

同じオレンジを食べる場合でも、丸ごと食べるのとジュースにして飲むのとでは雲泥の差。
固形はゆっくり吸収されるため、肝への負担が段違いです。
まずは「飲み物の糖をゼロ」にしましょう。
これは地上波のテレビでは絶対に出てこない情報です。なぜならば、世の中に出回っている飲料のほとんどに糖がたくさん使われていて(スポーツドリンク・ヤクルトなどなど)、ほとんどのテレビ局にそういった飲料メーカーのスポンサーがついているため、スポンサー企業に不利になる情報は正しかろうと放送されないのが常であるからです。

OK:水、無糖の緑茶・麦茶、ブラックコーヒー(砂糖なし)、無糖炭酸水
(無糖コーヒーと無糖炭酸水は肝に好影響が報告されています)

2) 「地中海型」を日本の食卓に翻訳

魚・全粒穀物・野菜・豆・ナッツ・オリーブオイルを軸に。
食物繊維を意識して増やし(野菜・豆・海藻・きのこ)、超加工食品と質の悪い油は頻度を落とします。

炭水化物はゼロにしないのがコツです。抜きすぎは便秘や過食の反動を招きます。
夜遅いドカ食いは血糖と肝の負担が大きいです。規則正しく決められた時間に3食しっかり食べることが
ドカ食いや間食過多を防ぐコツです。

3) たんぱく質は「毎食に分割」

たんぱく質の目安は 体重1.0〜1.5g/kg/日。
魚・卵・大豆・乳製品などを朝昼晩に分けて摂ると満足感が上がり、自然に総カロリーが整います。
砂糖入りのプロテイン飲料は避けましょう。摂取する場合はシンプルな粉を水で飲むのがおすすめです。
ちなみに、肝硬変や肝性脳症の既往がある人では
たんぱく質を分解すると生じるアンモニアの解毒力が落ちており、高たんぱくの一気飲みはアンモニア上昇→だるさ・眠気・注意力低下(脳症)を招くことがあります。

 ※近年は肝硬変でも「十分なたんぱく摂取」が推奨されますが、量・タイミング・種類(BCAA多め/植物性中心)の設計が必要ですので医師と相談の上での摂取が望まれます。


運動:体重が落ちなくても“肝脂肪は減る”

  • 有酸素:早歩き・自転車など 週150分は最低でも動きましょう
  • 筋トレ:週2〜3回、スクワット・ヒップヒンジ・プッシュ・ロウなど大筋群を動かしましょう
  • 座りすぎ対策:60分座ったら2〜3分立って歩く。食後に10分のゆる散歩でも効果的。

とくに痩せ型脂肪肝は、本来“糖の貯蔵庫”の役割をしている筋肉が足りないためにエネルギーが肝臓へ行ってしまうことで病態が悪化します。
筋トレ+適切なたんぱく質摂取で、肝に行きがちなエネルギーを筋へ回しましょう。


生活:睡眠とアルコールの“扱い方”が効く

  • 睡眠7時間:寝不足はインスリン抵抗性を悪化させ、肝に脂肪をため込みやすくします。就寝前のスマホは極力避けて、最低でも30分前には画面を見ないようにしましょう。
  • アルコール:量・頻度・飲み方が大切です。体質的に顔が赤くなる人は特に慎重になりましょう。
    • 「飲む日/飲まない日」を分ける。肝臓は48時間で回復しますので休肝日の設定は重要です。
    • 寝る直前のストレート・ロックは避ける。
    • 清涼飲料や甘い割り材で“ダブルパンチ”にしない。
    • 迷ったら水・茶・ブラックコーヒーに戻る。
    • 純アルコール量20g(ビール中ジョッキ1杯)を目安に。オーバーしても50g(ビール中ジョッキ2.5杯)は越えないように気をつけましょう。
    • ウコンは肝機能向上に効果がありません。むしろ人によって逆効果になるので、肝機能向上を狙って摂取することは控えましょう。抗酸化効果を狙うのはおすすめです。

※既に数値異常がある方は、主治医と飲酒可否や量を必ず相談してください。


痩せ型脂肪肝の対処法

見た目がスリムでも脂肪肝は大いにあり得ます。そんな人は体重をさらに落とすより、筋肉量アップで“糖の置き場所”を作るのが重要です。

  • 週2〜3回の全身トレーニング
  • たんぱく質を毎食適量摂取する(自分の手のひらサイズのタンパク質を摂りましょう)
  • 炭水化物はゼロにしない(おかずの食べ過ぎや間食過多を予防できます)

20代の肝臓を取り戻すために今日からできること

  • 飲み物の砂糖を完全ゼロに。
  • 毎日8000歩+食後10分歩く。
  • 野菜・豆・海藻・きのこを1日2倍に。
  • 魚を週3回以上食べる。
  • 就寝30分前はスマホを使わず、7時間睡眠意識。
  • 体重・ウエスト・朝の体調をメモ。

まずは2週間、これを心がけると
だるさ・食後の重さ・睡眠の質の体感が変わり始め、1〜3か月でALTなどの数値に反映されやすくなります。


よくある疑問に一言で

  • スムージーは健康にいい? — 肝臓的には勧めません。フルーツは丸ごと食べるが基本です。
  • コーヒーは? — 無糖ならOKです。
  • 糖質ゼロビールやハイボールなら…? — アルコール自体の総量が論点です。純アルコール量20g以下がベターです。
  • おすすめのサプリは? — まずは飲料の糖ゼロ・歩く・寝るから始めましょう。それでも足りない時に、医療者と相談の上で。

まとめ:肝臓は「静かに壊れやすく、静かに治りうる」

肝臓は人間の臓器の中でも再生力が最強クラスです。
でも、炎症と線維化が進めば、その力も鈍ります。

飲み物の糖を断つ/歩く・鍛える/眠る
この「あたりまえ」を積み上げるほど、肝臓は黙って応えてくれます。
今日の一手が、10年後の「肝臓年齢」を変えます。

まずは “飲み物の砂糖ゼロ” から。明日は 食後10分の散歩。今週は 魚を1回増やす。

小さなレバー(肝)ケアが、大きなリバース(巻き戻し)につながります。

※本記事は一般的なヘルスガイダンスです。異常値がある、持病がある、薬を服用中などの場合は、必ず医療機関にご相談ください。