股関節の硬さを放置すると起こる7つのこと
運動会で全力ダッシュしたら足がもつれて転んだ。
久しぶりに階段を降りたら膝がズキッとした。
スクワットを頑張るほど前ももだけパンパンになる。
実はこれ、股関節が硬いサインかもしれません。座り仕事・車移動・ソファ姿勢…
現代生活では股関節の「伸びる・ひらく・ねじる」動きが不足しがち。
結果、下半身だけでなく腰や姿勢、呼吸まで影響が出ます。
目次
股関節が硬いと起こる「7つの不具合」
- 反り腰・腰痛が出やすい
本来“後ろへ脚を伸ばす”のは股関節の役割。伸びない分を腰の反りで代償→椎間関節に負担。 - 膝の内側や外側が痛む
股関節が動かないと膝が内側に入り(ニーイン)、腸脛靭帯・膝蓋大腿関節へストレス集中。 - 前ももばかり太くなる(張る)
お尻(大殿筋)が使われず大腿直筋頼みに。見た目も「前もも主役」の脚に。 - お尻が垂れやすい/推進力が落ちる
股関節伸展が出ないと大殿筋が眠ったまま。歩幅が縮み、走・階段で力が出ない。 - 下腹ぽっこり・呼吸が浅い
骨盤前傾&肋骨が開きやすく、腹圧が入らない。横隔膜呼吸が崩れて疲れやすい。 - バランス低下・つまずきやすい
片脚立ちで骨盤がブレる=中殿筋が働かない。疲れると足が引っかかる。 - スクワット・ランのフォームが崩れる
ヒップヒンジ(股関節から折れる)が作れず、膝主導で関節に負担→不調を繰り返す。
まずは“いま”を見える化
トーマステスト(Thomas test)
上記の7つに、1つでも思い当たることがある方は、是非股関節の硬さをチェックする
トーマステストをやってみましょう!!
- ベッドやソファの端に座り、そのまま仰向けに倒れる。
- 片膝を胸に抱える。反対の脚は力を抜いて垂らす。
- 反対脚を観察:
- 太もも裏が台につかない → 股関節前側(腸腰筋)が硬い
- 膝が90°曲がらず伸び気味 → もも前(大腿直筋)が硬い
- 膝が外へ逃げる/太ももが外に回る → もも横(TFL〜腸脛靭帯)が張っている
※左右差もチェック。スマホで真横から撮影すると改善が追いやすいです。


ちなみにこの方は、 太ももの裏がついていないので、股関節前面が硬く(特に右足)
また膝もほとんど曲がっていないので、極端に太ももの前側が硬いことがよくわかります。
解消法:毎日5〜7分のルーティン
ポイントは 伸ばす → 目覚めさせる → 使う の順番で整えていくことです。
① 伸ばす(モビリティ)2〜3分
- ハーフニーリング腸腰筋ストレッチ:片膝立ちで骨盤を軽く後傾→前脚方向へ体重移動(左右40秒×2)
- 前ももストレッチ(立位で足首つかむ or 壁・ソファを使う“コーチストレッチ”)(左右30〜40秒×2)
- 余裕があればTFL/外ももフォームローラー各60秒
② 目覚めさせる(アクティベーション)2分
- PPT(骨盤後傾)グルートブリッジ 12回×1〜2セット
- 横向きクラムシェル 10回×左右(お尻の横=中殿筋を意識)
③ 使う(統合)2分
- ショート・スプリットスクワット 6回×左右(前脚のかかとで“床を押す”)
- もしくは ヒップヒンジ(お辞儀) 10回(背中はまっすぐ・お尻を後ろへ)
日常生活での一工夫
- 60分座り続けたら立って20歩歩く+その場かかと上げ10回
- 立ち上がる・階段の一段目は「お尻で押す」意識
やりがちNG
- 腰を反らせて無理に伸ばす(→腰痛の原因)
- 片側だけ伸ばす(左右差固定)
- いきなり重いスクワット(代償動作の強化)
股関節が“動く”と、毎日が変わる
股関節は“よく動くべき関節”。ここが硬いと、腰・膝が代わりに無理をします。
まずはトーマステストで現状を見える化し、5〜7分のルーティンを2〜4週間続けてみてください。
多くの方が、階段・歩幅・立ち上がりの軽さに変化を感じ始めます。
鋭い痛み・しびれ・夜間痛がある場合は、無理をせず専門家へ。
「前もも主役」から「お尻主役」へ切り替わると、痛みも見た目も着実に変わります。
※記事内のトーマステスト写真は、許可をいただいたお客様の例を掲載しております(左右差・改善の過程が分かるよう、同角度で撮影)。